本城 武則 (著) ディスカヴァー・トゥエンティワン
かねてから、英語を学習するうえで日本語の活用は非常に重要だろうと思っておりましたので、タイトルにひかれて読んでみました。
乱暴にまとめてしまうと、「完璧じゃなくてもいいから、知ってる知識で話せば話せる」という内容です。
英語学習本には、おおきく、学術的なスタンスと、実戦的なスタンスの2つに分かれると思いますが、本書は完全に後者。
タイトルである「まず日本語で考えろ」は、数多いトピックの中のひとつに過ぎず、主に英会話初心者に対して、著者の視点によるアドバイスが並びます。
中にはTOEICの試験内容が実際の会話に即していない点など、頷ける点も多々ありましたが、全体的にすこし客観性が足り無い印象をぬぐえきれないものがありました。
例えば、メンタル面に関する内容が多かったのですが、「アメリカ人はそんなこと全然気にしないから気にせずどんどん話せばいい」など、捉えようによっては価値観の決めつけのように感じられ、人によっては拒否反応を示すかもしれません。
こうした点から、総じて信頼性に疑問符がついてしまったように個人的には思いましたが、実戦派のアドバイスには得るものもありましたので、読む価値は充分にあります。
とりわけ、「英語ネイティブも、日本語を聞くときより英語を聞くときの方が、テレビのずっと音を大きくする」旨の記述は、普段から英語を聞くとき音量を大きくして聞いていたけれども、これはリスニングが悪いからなのかなと思っていた私にとって、大変参考になりました。
著者のキャラや論の進め方が独特な感じなので、その見解を素直に受け入られる人と、そうでない人に分かれそうですが、価値観のストライクゾーンが広い方にとっては快適に読めるのではないかと思われます。
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