白井 恭弘 (著) (岩波新書)
英語の学習本にはいくつかの種類があると思います。
ひとつは、TOEICテスト280点だった私が半年で800点、3年で同時通訳者になれた42のルールのように、専門のお仕事として英語を使っている、英語のプロが書いたもの。
ふたつめは、村上式シンプル英語勉強法や超英語法のように、仕事で英語は使ってはいるけれど、あくまでも一英語ユーザーとしての立場から述べたもの。
そして、みっつめは、学者が書いたもの。それが本書にあたります。
目次には、「臨界期仮説」、「個人差と動機づけの問題」、「外国語学習のメカニズム」、「効果的な学習法」等の言葉が並び、気になって読んでみました。
長年英語を勉強してもうまく身につかない人もいる一方で、短期間でかなりのレベルまでマスターしてしまう人もいるという事実。
それはいったいなぜなのか。
効果的な英語学習とはいったい何なのか。
このようなことについて、学術的な研究を基にして著されています。
本書は、SLA(Second Language Acquisition)、すなわち第二言語を習得する方法がテーマ。
結論から言ってしまうと、第二言語学習者がとしての英語学習者が、どうすれば間違いなく身につくか、確たることは解明されていないとのこと。
しかし、多くの有益なヒントが掲載されていますので、このWebサイトをご覧の方にも、推薦させて頂きます。
われわれ日本人は、すでに日本語を母語として身につけており、第二言語として英語を身につけようとしています。
これは、いわゆる「ネイティブと同じ方法」で英語を身につけるというのとは、全く異なるという事。
詳しくは実際にお読みいただければと思いますが、すでに日本語をできるようになっていることが、英語を学ぶ上での障害になっている部分も多々あるようです。
TOEIC受験者というのは、ほぼ例外なく第二言語としての英語学習者だと思いますので、どなたにもこの本が役に立つと思いますが、特に理論的なアプローチが好きという方は興味深く読めること間違いなしです。
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